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<ウッドショックとは?>

カテゴリ : ウッドショック
古くからの友人の杉谷直明さんが、ブログを書いてくれましたので、早速載せてみます。
杉谷さんは、木材に関しては、ロシア材~国産の丸太、製材に精通しており、いつも貴重な情報を頂けます。
以下もとっても有難い情報です。感謝感謝です。

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はじめまして。
この度、フォービック社のご厚意でブログを書かせていただくこととなりました。
出原社長の元同僚で、木材商社出身。
その後、独立して自営業となり、木材や林業、
運送、投資やコンサルの仕事をしています。

ビジネスマンながらも、元々文学系大学院生だった僕に
「書くのが得意なんだから、ブログを書いてみない?」
と出原社長からご提案をいただきました。
みなさんにお役に立てることを僕が書けるだろうか?と問うてみて
【ビジネスとお金の温故知新】
というテーマで書いてみることにします。
どうぞよろしくお願いします。
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<ウッドショックとは?>
2021年、木材業界で最も大きな関心事は
「ウッドショック」
でした。
木材業界に身を置いていた者としては、
世界経済の潮流に巻き込まれた経験がよみがえりました。

オイルショックなら、みなさんご存じだと思いますが、
原油=OILの供給不足による石油製品の高騰のことです。

今年、同じことが木材=WOODでも起こって、
木材の供給不足から、価格が高騰したのです。
それも木材業界では未体験ゾーンの価格帯にまで。
値上がりはうれしいけど、今後いったいどうなるの!?
急に値段が下がって大損したりしないの!?
そんな大きな不安も引き起こした出来事でした。

今回のウッドショックの震源地はアメリカ。
2020年末にコロナワクチンが提供され始めて、NYダウ価格は大きく反発。
その後バイデン新大統領就任と大型給付金の効果も後押しして、
いわゆる「ワクチン相場」が起こりました。
またコロナ禍のステイホーム志向から住宅の新設・リフォーム需要が高まります。
逆にコロナ禍による製材工場の稼働率低下、サプライチェーンの混乱から
製材価格が上昇。
そこに投資マネーも流れ込んで、製材先物価格はコロナ前の400ドル台から
一時1700ドル台を付けました。
4倍超。。ちょっとこれはやりすぎですね。。

例えば、ガソリン価格が4倍になるか?と想像してみれば、
この異様さを感じていただけると思います。
1リットル125円だったガソリンが、一瞬でも500円を超える、そんなできごとです。
(ちなみに日本のガソリンスタンドでは、百の位は「1」しか表示できません。
つまり、1リットル200円を超えることはまだ想定されていません。。)

「木が入らなくて家が建たない」
「リフォームしたいけど部材がそろわない」
「工事の完成期日がまったく読めない」
などの問題が今年春から日本全国で起こりました。
サプライチェーンの混乱は木材業界だけに起こったことではないので、
「シャワー付きトイレ便座がない」
「給湯器がない」
「住宅用の鋼材がない」
なども住宅業界では起こりました。
そして今は
「合板がない」
ウッドショックはまだ終わっていないのです。

ウッドショックの影響を一番受けたのは、中小工務店ではないでしょうか。
住宅完成/リフォーム完成 → 入金 → 引き渡し
となるのに、高い部材を買っているのに工事が終わらない以上入金はなく、
資金繰りに苦労された工務店も多かったと想像します。
次に影響を受けたのは施主さん。
工事がいつ完成するのか、とハラハラされた方もいらっしゃったと思います。
また住宅価格が上がってしまった方もいらっしゃるでしょう。

一方、木材流通の「川上」と「川中」=林業、製材業、木材問屋は、好業績のところが多いです。
「木がない」のは、輸入製材が入ってこないのとすぐに出ていくからで、
実際には扱い数量が増えた、という会社が多いようです。

ちなみに、カナダ・アメリカの大手木材会社は、もうウンザリするほどの好業績。。
北米で製材価格がピークだった今年4-6月期の決算で

CANFOR社(カナダ)は、10億4000万ドルの営業利益
WFP社(カナダ)は、7800万ドルの純利益
INTERFOR社(カナダ)は、4億1000万ドルの純利益
ウエアハウザー社(米)は、10億ドルの純利益

・・・これ、わずか3か月間の業績ですよ。
とにかく、すごいことが起こったのです。

素材ビジネスは当たるととてつもない利益が出る、
ということは商社時代に知りました。
仮に3~4年不振でも、この大当たりの味は忘れられないのです。
しかし、ここまでの大当たりを僕は見たことがありません。

僕自身、2019年秋の消費税増税から木材需要が冷え込み、
木材の仕事を減らしていましたが
ウッドショックから木材の仕事に協力してくれ、というオファーを複数いただき、
再び木材の仕事に戻ってきました。
一時的に利益が出ても、将来に不安はつきものです。つまり
「ウッドショックのその後はどうなる?」
です。
業者さんが僕に期待されているのは、まさにこの点です。

次回はこの点について【温故知新】の観点もまじえて
考察できればと思います。
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2021-11-23 16:33:18