こんにちは。フォービックの出原です。
先日、中国に出張してきました。
今回訪れたのは福建省と広東省です。
中国経済は今年あたり何十年かぶりに経済成長率が一桁に落ち着きつつあるとはいえ、
まだまだ建設中の道路、鉄道、ホテル、ビル、マンション群を見ると
やっぱりすごいなあと思いました。
ただ、2007年頃と違うのは、都市部での建設ラッシュが
少し一段落したように見受けられました。
また、建設途中でストップしているビル群もあり、その背景にあるものを
想像する必要があると感じまました。
ニューズウィーク日本版2012年7月18日号に掲載された
ミンシン・ペイさんの論文がその背景を読み解くのに非常に参考になりました。
過去10年間のマクロ経済指標を見ると、
04年以降、GDPに占める設備・不動産投資の割合は毎年40%を上回ってきた、
同時期の個人消費はGDPの約35%に過ぎず、主要国中では最低だった
(アメリカは70%)という。
政府は、08年秋の世界金融危機を受けて、
2年あまりで4兆元(約56兆円)の財政支出に加え、
新規貸し出しの資金として銀行に12兆元(168兆円)を注入した。
その資金の大部分は設備投資と不動産投資に流れ、これが不動産バブルを招き、
インフレが起き、銀行に不良債権が積みあがった。
一方で一般家庭への恩恵はなく、国内消費はほとんど増えていない。
などと述べられています。
経済成長の裏で、都市部と農村部の格差が広がっていること、
一人っ子政策によって今後日本と同じく高齢化社会に移行していくこと、
一党支配体制(大きな政府)によっておきる汚職を含む維持コストと
それに対する人々の不満の増加等々が、
近年の中国の経済成長の鈍化によってよりクローズアップされることが
懸念されます。
輸出と不動産投資に頼るモデルから国内消費に頼る経済構造への変革が
これからの中国を読み解くカギかもしれませんね。
貿易に携わる者としてしっかりと見極めていかなければなりません。
もちろん
中国はその商売のパートナーとして永遠に組んでいくことが前提です。