今週に入り今日まで、中国に出張してきました。
今回の訪問先は、香港と広東省でした。
政府による4兆元以上の財政出動の影響もあり、
最近まで中国国内への不動産投資熱は盛んだった模様です。
香港やシンセンの大型集合住宅(マンション)の価格は、
高止まりしているとのこと。
富裕層は、不動産を買うことができるけれども、
この20年間でさらに貧富の格差が拡がりつつあります。
民間レベルでは、とても都市部のマンションを購入することができずにいます。
物価もブランド品などは日本より高値で販売されており、
通常の家庭では全く手が出ません。
香港の物価は本当に高かったです。
香港の行政単位としての正式名称は「中華人民共和国香港特別行政区」です。
1997年にイギリスにより返還され、すでに16年が経過しました。
中国の一行政単位ではありますが、現在も他の省や自治区、北京、上海などの
直轄市とは一線を画す扱いをうけています。
「一国家二制度」とは、「ひとつの国家に社会主義と資本主義を共存させる」
という中国が掲げた世界史上前例のない原則に基づき運営されている制度です。
つまり、返還後も、香港だけは、資本主義の「自由」を謳歌している特別な地域です。
外交と軍事以外は香港人による自治が認められ、
言論や信教の自由、法律、税制、通貨制度などあらゆる面において、
中国本土と異なる香港独自の政策や行政システムが貫かれています。
その多くは、イギリス植民地時代のシステムをそのまま踏襲しています。
香港の「憲法」にあたる基本法は、この仕組みを返還から50年後、
すなわち2046年まで維持することを認めています。
私が滞在中も、FACEBOOKなどインターネットにおいて
中国本土では規制されているはずのサイトへのアクセスが香港では可能でした。
中国政府は、香港をモデルに資本主義への移行を果たしてきた(表向きは社会主義で、
実質は資本主義であるという意味において)といえるのではないでしょうか。
現在の中国政府が志向することが香港を見て明らかになるかも知れません。